相続した家を売ろうと不動産会社へ相談したところ、「再建築不可の可能性があります」と言われた。聞き慣れない言葉に、「もう売れないのではないか」「持ち続けるしかないのか」と不安になる方は少なくありません。
しかし、「再建築不可」と言われた時点で、売却方法まで一つに決まるわけではありません。まず必要なのは、なぜそう判断されたのかを確認し、物件の条件に合う手放し方を比較することです。
再建築不可の基本的な仕組みや、売却しづらいとされる理由については、関連記事「再建築不可物件とは?売却しづらい理由と相談前に知っておきたいこと」で解説しています。本記事では、その次の段階として、実際に何を確認し、どう動けばよいのかを5つの手順に分けて整理します。
「再建築不可」は、言われた理由を確認するところから始まります
再建築不可とは一般に、現在の建物を解体した後、同じ敷地に新しい建物を建てることが難しい状態を指します。主な原因は、敷地と道路の関係です。建築物の敷地は、原則として建築基準法上の道路に2メートル以上接する必要があります。
ただし、見た目が道路であっても建築基準法上の道路として扱われないことがある一方、幅員4メートル未満でも、いわゆる「2項道路」として扱われ、建て替え時のセットバックによって建築できる場合があります。また、一定の条件を満たし、特定行政庁の認定や許可を得ることで接道義務の適用除外となる制度もあります。
そのため、登記簿や地図だけを見て結論を出すのではなく、道路の種類、接している長さ、敷地や周辺の状況、自治体の取扱いを確認することが重要です。
1.「なぜ再建築不可と言われたのか」を確認する
最初に確認したいのは、判断の根拠です。不動産会社から口頭で可能性を伝えられただけなのか、道路調査や行政窓口への確認まで行ったうえでの判断なのかによって、次の対応が変わります。
- 前面の道が建築基準法上の道路ではないのか
- 道路に接している間口が2メートル未満なのか
- セットバックや隣地との関係が問題なのか
- 自治体への照会や現地測量が必要な段階なのか
「再建築不可です」という結論だけで終わらせず、どの条件が不足しているのかを具体的に聞いておくと、別の不動産会社へ相談するときにも状況を伝えやすくなります。
2.道路の種類と接道状況を確認する
次に、敷地が接する道の扱いを確認します。自治体によっては指定道路図や道路台帳をインターネットで公開していますが、掲載内容だけでは判断できない場合もあります。物件所在地を管轄する建築指導課などで、道路種別と接道状況を確認するのが基本です。
確認の結果、セットバックを前提に建て替えられる可能性がある、特例認定・許可を検討できる、隣地との調整によって接道条件を改善できるなど、当初とは異なる選択肢が見えてくることがあります。ただし、認定や許可は物件ごとの条件によって判断されるため、必ず利用できる制度ではありません。
3.建物・土地の資料を、分かる範囲でそろえる
再建築の可否や売却条件を確認するには、道路だけでなく、土地・建物・権利関係の情報も必要です。すべてを自分で取得してから相談する必要はありませんが、手元にある資料をまとめておくと調査が進みやすくなります。
- 土地関係:登記事項証明書、公図、地積測量図、境界確認書、購入時の契約書や重要事項説明書。
- 建物関係:建築確認済証、検査済証、設計図面、増改築や修繕の記録。
- 費用・現況:固定資産税の通知書、建物と前面道路の写真、残置物や管理状況が分かる写真。
資料が見つからない場合も、そのこと自体を相談時に伝えれば構いません。不足資料をどこで確認するかも含めて、必要な調査を整理してもらいましょう。
4.解体・片づけ・修繕を先に進めない
売りやすくするために、建物を解体したり、残置物をすべて処分したり、先に修繕した方がよいと考える方もいます。しかし、再建築不可の可能性がある物件では、先に建物を取り壊すと、既存建物を活用する選択肢を失うおそれがあります。
また、買取を検討する会社によっては、残置物がある状態や修繕前の状態でも査定できる場合があります。費用をかけた後で売却条件が変わらなかった、という事態を避けるためにも、解体・片づけ・修繕は査定や調査の後に判断する方が安全です。
5.仲介・買取・保有を、同じ条件で比較する
調査結果が分かったら、売却価格だけでなく、売却までの期間、追加費用、契約条件、管理負担まで含めて選択肢を比べます。一般の買主を探す仲介では、条件次第でより高い価格を目指せる可能性がありますが、買主が見つかるまでの期間や、融資審査による契約不成立の可能性も考える必要があります。
専門会社による買取では、仲介より価格が低くなる場合がある一方、売却時期や条件を整理しやすく、修繕・残置物・内覧対応などの負担を抑えられることがあります。すぐに売却しない場合は、現在の建物を使い続ける、賃貸や倉庫等として活用できるかを確認する方法もあります。
大切なのは、「査定価格が高いか」だけでなく、最終的に手元に残る金額、完了までの期間、売主側で行う作業を並べて判断することです。
相談時に、最初に伝えておきたいこと
相談の段階では、①物件所在地、②土地と建物の名義、③空き家か居住中か、④再建築不可と言われた経緯、⑤売却を希望する時期、⑥残置物や境界など他に気になる点、の6つが分かれば、確認の入口をつくれます。
道路や法令の調査を所有者だけで終わらせる必要はありません。物件の情報を共有したうえで、不動産会社が必要に応じて建築士、土地家屋調査士、司法書士や関係行政機関と確認し、売却方法を整理するのが現実的です。
「売れない」と決める前に、まず条件を整理しましょう
再建築不可の可能性がある物件は、一般的な不動産と同じ売り方では進みにくいことがあります。一方で、道路の扱い、建物の状態、立地、周辺需要によっては、売却や活用の可能性が残されています。
南青山リアルエステートでは、再建築不可の可能性がある物件や、他社で取扱いが難しいと言われた不動産について、道路・建物・権利関係を整理したうえで、買取を含む手放し方をご案内します。必要な行政確認や専門家確認についても、相談内容に応じて確認事項を整理します。
まずは、分かる範囲の情報でご相談ください。3つの質問に答える「30秒無料診断」から、物件の状況をお知らせいただけます。
参考資料
- 国土交通省「接道規制のあり方について」
- 東京都住宅政策本部「不動産取引の手引き:敷地と道路」
- 東京都都市整備局「建築基準法第43条第2項に基づく認定・許可の取扱い」
※道路種別、接道要件、認定・許可の取扱いは、物件所在地や建築計画によって異なります。本稿では所有者へ確認を丸投げせず、アオトリへの相談後に必要な確認事項を整理する流れで記載しています。